二級ボイラーのための理解体系 (自分用)

やばい点数が伸び悩んでる!合格率50%あるブルーカラー試験に落ちたらどうしよう!

新しい40問の選択肢まで取得し、これまでの160問と照合しました。今回はこの場で、履歴から見えるつまずきと、その仕組みをつなげて説明します。

まず、点数の中身はこう変わっています。

分野 前回:令和6年10月 今回:令和6年4月
構造 6/10 5/10
取扱い 5/10 4/10
燃料・燃焼 6/10 3/10
法令 5/10 8/10
合計 22/40 20/40

別問題なので単純な能力比較はできません。ただ、全部が伸びていないわけではなく、今回は燃料・燃焼の判断が特に崩れています。

履歴には「選んだ理由」は残っていません。以下では、確認できる事実と、原因の仮説を分けます。


誤答の原因を考えるうえで、特に重要だった4つの証拠

実際の解答 そこから分かること
前回・今回とも、ホーミングの同じ正しい説明を「誤り」として選択 この説明への疑問が残っている。単なる問題番号の覚え違いでは説明しにくい
以前は「硬度成分を可溶性に変える」を誤りと見抜けたのに、今回は「不溶性のスラッジに変える」を誤りとして選択 正答経験があっても、薬品で何を実現するのかが安定していない
前回は「高温域での滞留時間を短くする」を誤りとし、今回は「燃え切る前に炉から出す」を正しい組合せに含めた 「どこで、何のための時間か」の区別が必要。私の前の説明も、この区別が不足していた
前回・今回とも、燃料分析の誤った説明を見逃し、別の正しい文を誤りとして選択 誤った一文だけを覚えても、残りの選択肢を判断する土台ができていない

また、今回の誤答20問は、次のようにつながっています。単独の暗記事項20個として扱うべきではありません。

教え直す土台 今回の誤答
熱がどう移動し、圧力・膨張が何をするか 問1・2・4
安全弁の「開く仕組み」と、水面計の「見える仕組み」 問5・6・15
蒸気だけを取り出すための、水と蒸気の分離 問13
点火・停止の各操作が、何の危険を防ぐか 問11・18
水の汚れを、どこで、どう処理するか 問19・20
燃料を燃やす準備、燃え方、発熱量 問21・23・24・25・26・27・29
法令で指定された対象・条件の区別 問32・37

まず、繰り返し誤答している部分から説明を組み直します。

 

 

① ホーミング:泡なのに、なぜ「水」が蒸気に混ざるのか

前回も今回も、「ドラム内に泡が広がり、水分が蒸気とともに運び出される」という説明を誤りとして選んでいます。

ここで先に理解すべきだったのは、泡は気体だけではなく、気体を包む薄い水の膜でできていることです。

ボイラーで欲しいのは水蒸気です。しかし、水面の上に泡が大量に広がると、その水の膜も蒸気出口の近くまで上がってきます。膜がちぎれたり、泡ごと押し流されたりすると、液体の水が蒸気に混ざります。

つまり、

  • プライミング:水滴を巻き上げてしまう。
  • ホーミング:泡立ちによって水を連れ出してしまう。
  • キャリオーバ:その結果として、蒸気にボイラー水が混ざって出る。

別々の無関係な現象ではありません。

さらに、ドラムは水を沸かすだけでなく、上の空間で水滴と蒸気を分離する場所です。

水位を高くしすぎると、この分離空間が狭くなります。蒸気を急に大量に取り出すと、水滴が落ちる前に出口へ運ばれやすくなります。

だから、今回の「蒸気負荷が過小のときにプライミング」は方向が逆です。「負荷が大きい」とは、ここでは蒸気をたくさん要求されることです。

水を多く入れるほど常に安全、蒸気を勢いよく出すほど常によい、とはならない。 水と蒸気を分ける余裕も必要なのです。

 

 

② 清缶剤:汚れを防ぐのに、なぜわざわざ泥を作るのか

今回、「硬度成分を不溶性のスラッジに変える」を誤りとし間違えました。

もし「水をきれいにする薬なのに、溶けない汚れを作るのはおかしい」と感じたなら、その疑問を解く説明が必要でした。

ここでの目的は、単に水を透明にすることではありません。熱を受ける金属面に、硬い汚れをこびり付かせないことです。

 

「固く貼り付くもの」を「外へ出せる形」に変えると考える。スラッジも放置すれば障害になります。作って終わりではなく、排出までが一組です。

また、次の二つは処理する場所が違います。

装置・薬品 どこで働くか 何をするか
軟化装置 ボイラーに入る前 水中のカルシウム・マグネシウムを取り除く
清缶剤の軟化剤 ボイラー水の中 入ってきた硬度成分を、スケールになりにくい形に処理する

入口で硬度分を除く必要があるのは、硬度分が水管内面にスケールとして付着して障害を起こすからです。

今回もう一つ見逃したのが「低温腐食を防止する」という肢です。この問題でいう低温腐食は、燃焼ガス側で硫酸などが凝縮して金属を傷める現象です。ボイラー水に入れる清缶剤の仕事とは場所が違います。

前回の内面清掃でも「すす」を水側の汚れと区別できていませんでした。ここは共通しています。

まず、金属のこちら側は水か、燃焼ガスかを決める。 その後で、汚れや対処を考える必要があります。

 

 

③ 滞留時間:「短い方がよい」と「長さが必要」は矛盾しない

前回のNOx問題では、高温燃焼域にいる時間を短くすることを説明しました。今回は、燃焼室にいる時間が、燃え切る時間より短いという記述を正しい組合せに含めています。

 

比較している時間 何を避けたいか 考え方
燃焼室にいる時間と、燃え切るまでの時間 未燃焼のまま出ていくこと 燃え切る時間を確保する
特に高温の領域にいる時間 サーマルNOxが増えること 不必要に長く高温にさらさない

例えば、燃え切るのに仮に2秒必要なのに、1秒で炉から出てしまったら、燃焼が間に合いません。 この数字は説明用です。

一方、「燃焼室にいる時間の全部を、NOxができやすい高温状態にする必要があるか」は別の話です。高温域での滞留時間が長いほどサーマルNOxが増えるという性質があります。したがって、覚える言葉は「滞留時間は長い/短い」ではありません。

燃え切る時間は確保する。そのうえで、NOxができやすい高温状態を抑える。

今回の問29では、選択はA・B・D、正答はA・Bでした。判定が違ったのはDだけです。燃焼室の説明を全部教え直すより、この時間の区別を修正する方が的確です。

 

 

④ 油バーナ:「油を流す」「細かくする」「燃やす」を分ける

前回はプランジャ式の油量調節、今回は霧化媒体の問題で間違えています。今回の油加熱の問題も含めると、バーナの名前より先に、次の三つを分ける必要があります。

段階 やりたいこと 仕組み
加熱 粘い油を扱いやすくする 必要な範囲で粘度を下げる
霧化 大きな油の塊を細かい液滴にする 油の圧力、回転、高速の空気・蒸気などを使う
燃焼 燃料と酸素を反応させる 空気と混ざり、燃える条件を整える

大きな油の塊は、中まで一度に空気と接触できません。細かい滴にすると、全体として表面積が増え、加熱・蒸発・空気との混合が進みやすくなります。

そこで「何の力で細かくするか」が分かれます。

  • 圧力噴霧:油自身に圧力をかけ、ノズルから噴き出させる。
  • 空気噴霧:別に送り込んだ高速の空気で、油を細かくする。

この後者の空気が「霧化媒体」です。実際の空気噴霧式バーナも、圧縮空気を油に作用させて霧化しています。

「燃焼に空気が必要」と「油を砕くために空気を使う」は別です。 ここを一緒にすると、どのバーナも霧化媒体が必要に見えてしまいます。

加熱も、多ければよいわけではありません。

粘すぎる油は細かい霧にしにくい。しかし加熱しすぎて管の中で気化すると、安定して液体を送れなくなり、燃焼が息をつくように不安定になります。今回誤りとした「加熱しすぎると、いきづき燃焼」は、このつながりです。


 

⑤ 逆火:「火が、どこを伝わって戻れるか」を考える

今回、拡散燃焼は逆火の危険性が高い、という誤った説明を見逃しています。以前もガス燃焼方式で誤答していました。

火は、何も燃えるものがない経路を、どこまでも戻れるわけではありません。

  • 予混合:出口より手前で、燃料と空気を混ぜている。手前にも燃える混合気があるため、条件によって火炎が上流へ戻れる。
  • 拡散燃焼:燃料と空気を別々に送り、出口付近で混ぜる。通常、燃料側の通路には燃えるための空気がそろっていないため、予混合と同じ火炎の戻り道がない。

予混合火炎には伝ぱ性があり、逆火が起こり得るのはこのためです。

「予混合=逆火」とだけ覚えるより、出口の手前に、すでに燃えられる混合気があるかと考える方が、別の聞き方にも対応できます。

 

 

 

まず、やかんに水を半分入れて、火にかけたところを想像してください。

水は下にたまっています。上半分には空間があります。沸騰すると、水の一部が液体から気体に変わり、注ぎ口から出ていきます。

ここで、次の二つは違います。

注ぎ口から出るもの 何が起きたか
水蒸気 水が気体に変わって出た
飛び散った熱湯 水が液体のまま出た

水蒸気と水滴は、同じ水という物質でも、状態が違います。 細かい水滴も液体です。なお、目に見える白い湯気は細かな水滴で、気体の水蒸気そのものは透明です。

蒸気ボイラーも、まずはこの「水を気体に変えて取り出す容器」と考えてください。実物にはいろいろな形式がありますが、今扱っている問題では、容器の下に水、上に蒸気の空間があり、上から蒸気を取り出す姿を使います。

そこで、やかんを二通りの状態にしてみます。

一つ目:水を入れすぎて、激しく沸騰させる。

水面が注ぎ口に近く、激しく跳ねるので、注ぎ口から熱湯まで飛び出します。欲しかったのは蒸気なのに、液体の水も出てしまいます。

二つ目:水面に、壊れにくい泡がたくさん積み重なる。

泡は「気体を、薄い液体の膜が包んだもの」です。泡が出口まで届けば、泡の膜を作っている液体も外へ出てしまいます。

だから、この二つは同じ結果になります。

水滴が跳ねても、泡があふれても、液体の水が蒸気に混ざって出てしまう。

この「液体の水まで一緒に出る」という共通の結果に付いている名前が、キャリオーバです。

 

 

では、その違いを使うと、プライミングとホーミングは「液体の水が、どうやって出口まで来たか」の違いです。

プライミングは、水が勢いで持ち上げられる場合。

蒸気出口へ向かう流れが強いと、水滴まで一緒に運んでしまいます。水位が高すぎる場合も、水面と出口が近くなるので、水が入り込みやすくなります。

ここで「蒸気負荷が大きい」とは、ボイラーの外で蒸気をたくさん使うため、ボイラーからたくさん取り出すことです。重りを載せる意味ではありません。

そのため今回の問題にあった、

プライミングは蒸気負荷が過小であるときに発生する。

は逆です。蒸気を大量に取り出す側で、水を巻き込みやすくなります。

ホーミングは、水が泡の膜になって持ち上げられる場合。

普通の沸騰でも泡はできますが、水面で次々に壊れます。ところが、油脂分などの影響で泡が壊れにくくなると、水面に泡が広がります。その泡が蒸気に運ばれると、泡の膜を作っている液体の水も運び出されます。

 

だから、前回も今回も誤りとして選んだ、

泡が広がり、蒸気に水分が混入して運び出される。

は、ホーミングの正しい説明です。「泡」と「水分」は別々のものを突然持ち出したのではなく、泡の膜が水だから、水分が混ざるというつながりです。

呼び名 液体の水が出口へ来る道筋
プライミング 水滴として巻き上げられる
ホーミング 泡の膜として運ばれる
キャリオーバ どちらの道筋でも、水が蒸気と一緒に出てしまうこと

 

蒸気の出口の太さは、そのままです。そこを通る蒸気の量を増やすと、流れが速くなります。

水面から跳ねた水滴には、二つの作用が働きます。

  • 重力で、下の水へ落ちようとする。
  • 流れる蒸気に押されて、出口へ運ばれようとする。

蒸気の流れが穏やかなら、水滴は落ちて戻れます。流れが強くなると、落ちて戻る前に出口まで運ばれやすくなる。

さらに、水位が高い場合は、水面から出口までの距離が短くなります。こちらは流れの強さではなく、水滴が落ちて戻るための空間が足りなくなる問題です。

変化 水を巻き込みやすくなる理由
蒸気を大量に取り出す 蒸気の流れが水滴を運ぶ
水位を高くしすぎる 水滴が分離して戻る空間が狭くなる

この二つが、プライミングを考える土台です。「高水位・大負荷」と丸暗記する前に、水滴を落として戻したいのに、流れが強すぎるか、空間が足りないと捉える。

 

 

この理解を使って、もう一つだけつなげます。以前、キャリオーバの対処で「主蒸気弁を急に開く」を不適切と正しく選べていました。その理由です。

主蒸気弁は、ボイラーから蒸気を送り出す出口の弁です。

水が蒸気に混ざって出ているとき、これを急に大きく開けると、蒸気が一気に出て、水滴をさらに連れ出しやすくなります。だから「圧力を下げれば落ち着くだろう」と考えて急開するのは逆効果になります。

一方、燃焼量を下げるとは、火を弱めることです。こちらは新しく発生する蒸気の量を減らし、沸騰を穏やかにする方向に働きます。

操作 直接起きること 水の巻き込みへの影響
蒸気出口を急に大きく開ける 蒸気が一気に流れ出す 悪化させやすい
燃焼量を下げる 蒸気の発生が減る 抑える方向に働く

出口を開けることと、火を弱めることは、同じ操作ではありません。 「圧力が下がりそう」という結果だけでまとめず、途中で水と蒸気がどう動くかを見ると、正誤を判断できます。

 

 

ボイラーでは、火や高温のガスが金属を熱し、その金属から水へ熱が移ります。この水に熱を渡す金属の面が「伝熱面」です。

水には、カルシウムなどが溶けています。それが加熱によって金属面に硬くこびり付くことがあります。この付着物をスケールと呼びます。

困るのは、汚くなることだけではありません。スケールが熱を通しにくい層になり、金属から水へ熱を渡す邪魔をすることです。

火からは熱が来るのに、水へ逃がしにくくなる。その結果、水を熱するはずの金属自身が熱くなりすぎ、傷む原因になります。

そこで、硬度成分への対処として清缶剤を使います。考え方は、

「金属に硬くこびり付く前に、薬品で、排出しやすい泥状の粒に変えておく」

です。この泥状のものがスラッジです。

状態 金属との関係 取り除き方
スケール 硬くこびり付いている 普通に水を抜くだけでは落ちにくい
スラッジ 泥状になっている ボイラー水の一部とともに排出する

つまり、汚れを消滅させる薬ではなく、こびり付く前に、取り出しやすい形に変える薬という役割があります。スラッジも、作ったまま放置してよいわけではありません。

今回の「硬度成分を不溶性の化合物〈スラッジ〉に変える」は、この処理を説明した文です。「不溶性」は水に溶けないという意味ですが、水に溶けない粒になることと、金属に硬く付着することは別です。

 

 

では、できた泥をどうやって外へ出すかまでつなげます。

ボイラーは、水を補給しながら、蒸気を取り出しています。しかし、水に溶けている塩類などは、水蒸気になるときに同じようには出ていきません。多くはボイラー水に残ります。

鍋の汁を煮詰めると、味が濃くなるのと同じです。さらに、補給する水からも成分が入ってきます。

そのため、蒸気だけを取り出し続けると、ボイラーの中に成分がたまっていきます。清缶剤で作ったスラッジも、勝手には消えません。

そこで行うのが、吹出し(ブロー)=ボイラー水の一部を、含まれている成分や泥と一緒に外へ抜くことです。

操作 外へ出すもの 目的
蒸気を取り出す 主に気体になった水 熱を利用する
ボイラー水を吹き出す 液体の水と、その中の成分・泥 濃縮や汚れの蓄積を抑える

つまり、ここまでの処理は一続きです。

硬く付着させたくない → 薬品で泥状にする → 水と一緒に外へ抜く。

「清缶剤」と「吹出し」は別々の暗記事項ではなく、汚れを排出できる形にする工程と、実際に排出する工程という関係です。

 

 

では、今回の清缶剤の問題で、もう一つ区別する必要があった「水側と、燃焼ガス側」につなげます。

ボイラーでは、金属の壁を挟んで、水と燃焼ガスが別々の場所にあります。熱は金属を通って移りますが、水と燃焼ガスが混ざるわけではありません。

金属のどちら側か そこにあるもの 問題になるものの例
水側 ボイラー水 スケール、スラッジ、水に含まれる酸素などによる腐食
燃焼ガス側 燃料を燃やした後のガス すす、今回の問題でいう低温腐食

清缶剤は、水に入れる薬品です。 だから、まず水側の問題に働くものとして位置付けます。

一方、今回の「低温腐食」は、燃焼ガス側の話です。

硫黄分を含む燃料を燃やすと、燃焼ガス中に硫酸を生じる原因となる物質ができます。ガスに触れる金属面が冷たくなりすぎると、そこに硫酸が凝縮して付着し、金属を腐食させます。

冷たいコップの外側に水滴が付く現象を思い浮かべてください。ここでは、燃焼ガスから腐食性の液体が金属面に付くのが問題です。「低温だから金属が傷む」という意味ではありません。

したがって、今回の二つの選択肢はこう判断できます。

  • 硬度成分をスラッジに変える:水の中の処理なので、清缶剤の役割に合う。
  • 伝熱面の低温腐食を防ぐ:この問題では燃焼ガス側の現象なので、清缶剤の使用目的には合わない。

先ほどの「泥にして排出する」に、今回は「その薬品は金属のどちら側に届くのか」が加わります。これで、清缶剤の問題を名前だけで判断せずに済みます。

 

この「水側とガス側が金属で隔てられている」という姿を使うと、今回間違えた熱伝導と熱伝達も区別できます。

熱が、燃焼ガスから水へ届くまでを追ってみます。

熱が通る場所 何が起きているか 名前
熱いガス → 金属の表面 流れるガスと金属の間で、熱を受け渡す 熱伝達
金属の表面 → 金属の反対側 金属そのものは移動せず、内部を熱が伝わる 熱伝導
金属の表面 → 水 金属と水の間で、熱を受け渡す 熱伝達

身近な例なら、熱いスープに金属のスプーンを入れた場面です。

スープからスプーンへ熱が渡るところが熱伝達。スプーンの先から持ち手へ、金属の中を熱が伝わるところが熱伝導。

今回の問1には、

物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が移動する現象を熱伝達という。

とありました。

これは、スプーンの中を熱が伝わっていく方の説明です。だから名前は熱伝導であり、この文が誤りです。

さらに、表の三段階をひとまとめにして「金属の壁を通して、高温の流体から低温の流体へ熱が移った」と見ると、これを熱貫流(熱通過)と呼びます。

別の謎の現象が増えたのではありません。一部分を見る名前と、壁を挟んだ全工程を見る名前が違うのです。

 

 

では、残る放射伝熱を、今の熱の通り道に加えます。

たき火に手をかざすと、炎に触れていなくても熱くなります。炎から出たエネルギーが、離れた手に届くからです。これが放射による熱の伝わり方です。

ボイラーでも、炎に面した金属は、炎などから放射を受けて熱くなります。炎を金属に直接ぶつけなくても、熱は届きます。

ここには、二つの熱の受け取り方があります。

金属が熱を受け取る経路 仕組み
炎などからの放射 離れたところからエネルギーが届く
高温のガスからの熱伝達 金属表面を流れるガスから熱を受け取る

どちらで受け取っても、その後は先ほどと同じです。金属の内部を熱伝導で進み、水へ熱伝達で渡ります。

これを使うと、今回の問2にあった「放射形ボイラー」の説明も読みやすくなります。

炉壁に水の通る管を並べ、炎からの放射を受ける。その管の中の水が熱を受け取るので、管自体も冷やされます。この構造が水冷壁です。

「壁を冷やす」と「水を加熱する」は、別々の仕事ではありません。壁から水へ熱を渡す、一つの出来事を両側から言っているのです。

高圧大容量の水管ボイラーでは、この水冷壁で放射熱を大きく受け持つ形式が多く使われます。そのため、今回誤りとして選んだ「炉壁全面が水冷壁で、蒸発部の接触伝熱面が少ない」という説明は、正しい内容でした。

「接触伝熱面が少ないのに、どうやって水を沸かすのか」と感じる文章ですが、炎からの放射を受け取る面が、その仕事を大きく担っていると考えるとつながります。

 

まず、熱いスプーンと、たき火の違いだけ見てください。

スプーンの先を熱いお湯に入れると、持ち手まで熱くなります。これは、つながった金属の中を熱が伝わったからです。これが「熱伝導」です。

一方、たき火の横に立つと、火と体が金属などでつながっていなくても、顔が熱くなります。火から出る赤外線などを、顔が受け取るからです。これが「放射伝熱」です。日なたで顔が暖かくなるのも同じ仕組みです。

場面 熱が届く道筋
スプーンの持ち手が熱くなる 金属の中を伝わる
火のそばで顔が熱くなる 火から出た赤外線などが届く

ボイラーの炎も、周囲の金属へ、この放射で熱を届けます。炎を金属に直接ぶつけなくても、金属を熱することができるということです。

ここでは、まず「金属の中を伝わる熱」と「離れた火から届く熱」が別の伝わり方だ、と捉えられれば十分です。

 

まず、燃料を燃やす部屋を想像してください。その部屋の壁に沿って、中に水が流れる金属の管を、何本も並べます。 これが水冷壁です。

管の外側は炎に面しています。管の内側には水があります。

炎から熱を受けると、管の金属が熱くなり、その熱を中の水が受け取ります。その結果、

  • 水から見れば、熱をもらって沸騰する。
  • 金属の管から見れば、水に熱を持っていってもらい、熱くなりすぎるのを防げる。

この後者から「水冷壁」と呼びます。冷たい壁という意味ではなく、水に熱を渡して冷やされる壁です。

そして、燃焼ガスはその部屋を出た後も熱いので、後ろに別の水管群を置き、そこでも熱を回収できます。

水を加熱する場所 主に使う熱の受け取り方
炎を囲む壁の水管 炎などからの放射
燃焼室を出たガスの通り道の水管群 流れる高温ガスからの接触・対流

前者で水を沸かす仕事を大きく受け持てば、後者に受け持たせる分は少なくて済む。

これが「放射形ボイラーでは、蒸発部の接触伝熱面が少ない」という説明の意味です。水を加熱する面そのものがなくなるのではなく、炎を囲む水冷壁の方で、大きく熱を受け取っているのです。

 

まず、ボイラーには「水を沸かして蒸気にする部分」があります。これが蒸発部です。その水を加熱する場所には、次の二つがあります。

場所 水が入った管の配置 主な熱の受け取り方
① 炎がある部屋の壁 炎を囲んで水管を並べる 炎などからの放射
② その部屋を出た後のガス通路 高温ガスの流れの中に水管を並べる ガスが管の表面に触れて熱を渡す

②の管の表面が、この文でいう「接触伝熱面」です。 水と金属が接触している面、という意味ではありません。ここが紛らわしいところです。

放射形ボイラーは、①で大量の熱を受け取り、水を沸かす構造です。だから、②に担当させる仕事が小さくなり、②の水管の表面積を少なくできるということです。

例えば、水を蒸気にする仕事が全部で100あるとします。これは説明用の数字です。

  • ①で30を受け持つなら、②には残り70を受け持たせる。
  • ①で80を受け持つなら、②には残り20を受け持たせればよい。

つまり、元の文を具体的に言い直すと、

放射形ボイラーは、炎を囲む壁の水管で水を大きく加熱するので、その後ろのガス通路に置く「水を沸かすための管」を少なくできる。

という意味です。「水を沸かす面が全体として少ない」ではなく、「後ろのガス通路で熱を受け取る面が少ない」という話です。

 

次は、同じ問2で本当に誤っていた「高圧になるほど自然循環が強くなる」を理解するために、まず何が水を循環させるのかを説明します。

上下をつないだ、輪になっている二本の水管を想像してください。

  • 一方の管を強く加熱すると、水の中に蒸気の泡ができます。
  • もう一方は、泡の少ない水で満たされています。

同じ高さ・同じ太さの管でも、泡を含む側は、中身全体が軽くなります。 同じ大きさの容器なら、水だけを詰めたものより、一部が気体になっているものの方が軽い、ということです。

この二本は下でつながっています。重い水の側が下へ押す力の方が大きいため、軽い側を押し上げます。すると、

泡の少ない水が下がる → 泡を含む水が上がる → 上で蒸気が分かれる → 水がまた下がる

という循環ができます。これが自然循環です。

つまり、自然循環を動かすもとは、二本の管の中身の重さの差です。次の「圧力が高くなるとどうなるか」も、この差が広がるか、縮まるかで考えます。

では、圧力を高くすると、その重さの差が小さくなります。

まず、蒸気は気体なので、圧力が高い状態では、同じ体積の中により多くの水分子が詰まっています。つまり、同じ大きさの蒸気の泡でも、高圧の方が重いのです。

一方、沸騰している水は、高圧になるほど沸騰温度も高くなります。その水は熱膨張によって、密度が小さくなる方向に変化します。

この二つによって、水と蒸気の密度が近づきます。

圧力を高くすると 同じ体積当たりの重さ
蒸気 重くなる
沸騰している水 軽くなる
水と蒸気の差 小さくなる

先ほど、自然循環は「重い水の側が、泡を含んだ軽い側を押し上げる」と説明しました。

その重さの差が小さくなると、押し上げる力も弱くなります。 これが「高圧になるほど、自然循環の力が弱くなる」という理由です。

ここで区別したいのは、ボイラー全体の圧力と、循環を起こす二本の管の差です。全体の圧力が高くても、それだけでは一方向へ水を回せません。循環には、両側の差が必要です。

今回の誤った選択肢は、

高圧になるほど蒸気と水との密度差が大きくなり、循環力が強くなる。

でした。実際は、密度差が小さくなるので、循環力は弱くなる。二か所が逆になっていたわけです。

 

 

注射器に空気を入れ、先をふさいで押す場面を想像してください。

空気は外へ出ていません。でも、押すと小さな空間に縮みます。同じ量の空気が、狭いところに詰まったということです。

蒸気も気体なので、高圧では、このように分子が密に詰まります。

すると、同じ大きさの泡を比べたとき、高圧の蒸気の泡には、より多くの分子が入っている。その分、泡の中身が重くなります。

ここで、前の二本の管に戻ります。

  • 水だけの管は重い。
  • 蒸気の泡が混ざった管は軽い。
  • この重さの差で、水が回る。

ところが、泡の中身が重くなれば、泡が混ざっている側も、以前ほど軽くありません。 水だけの側との重さの差が縮まるので、循環を起こす力が弱まります。

 

では、そのイメージを使います。同じ大きさの箱に入れて、重さを比べると思ってください。

説明用に、水を入れた箱が「10」、蒸気を入れた箱が「1」の重さだとします。

水の一部を蒸気の泡に置き換えると、重い「10」の部分が軽い「1」に変わるので、その分だけ軽くなります。

ところが、高圧で蒸気が密に詰まり、蒸気の箱が仮に「4」になったらどうでしょう。

同じ体積を水から蒸気に置き換える 軽くなる分
水10 → 蒸気1 9だけ軽くなる
水10 → 蒸気4 6しか軽くならない

※数字は仕組みを説明するための仮の値です。ここでは水側の変化はいったん置いています。

つまり、高圧では、泡が混ざっても、それによって軽くなる効果が小さくなるのです。

自然循環は、水だけの重い側が、泡の混ざった軽い側を押し上げる仕組みでした。軽くなる効果が小さければ、両側の重さの差も小さくなり、押し上げる力が弱くなります。

「高圧だから強く押せる」ではなく、「両側の重さの差が小さくなるから、自然には回りにくい」ということです。

 

 

これで、高圧になると自然循環が弱くなる理由がつながります。では、自然に回る力が足りないとき、どうするか。

水の通り道にポンプを入れ、ポンプで水を押して回します。これが強制循環です。

方式 水を回す力
自然循環 水だけの側と、泡が混ざった側の重さの差
強制循環 ポンプが水を押す力

そして、水を回す目的も大事です。

火に近い管では、水が熱を受け取って沸騰します。そこへ水が十分に流れてこないと、管の金属から熱を持ち去れなくなり、金属が熱くなりすぎます。水の循環には、蒸気を作るだけでなく、加熱されている管を守る役割もあります。

今回の問2では、

  • 「高圧ほど水と蒸気の密度差が大きくなり、自然循環が強くなる」→ 逆なので誤り
  • 「循環経路に設けたポンプで、水を強制的に循環させる」→ 強制循環の仕組みなので正しい

と判断できます。二つの方式の違いは、まず「何の力で水を回しているか」です。

 

 

金属の棒を、左右の丈夫な壁の間にぴったり挟んだとします。

その棒を熱すると、棒は長くなろうとします。しかし両端には壁があるので、伸びられません。棒が壁を押すと、壁も棒を押し返します。

左の壁は棒を右へ、右の壁は棒を左へ押す。つまり、棒は両側から押し縮められる状態になります。

この内部の力を、圧縮応力と呼びます。

金属の状態 起きること
両端が自由な棒を熱する 長く伸びる
両端を固定した棒を熱する 伸びようとしても止められ、圧縮応力が生じる

今回の「炉筒」は、内部で燃料を燃やす太い金属の筒です。その両端が「鏡板」という端の板で拘束されています。

したがって、燃焼ガスで炉筒が熱せられると、長く伸びようとしますが、端の板に止められます。そこで生じるのは圧縮応力です。

問題文の「加熱されると引張応力が生じる」は、この向きが逆でした。

 

「胴」は、ボイラーの外側を囲む円筒です。中から圧力がかかると、円筒は膨らもうとします。

風船を膨らませると、ゴムが引き伸ばされますね。金属の胴も、変形は小さいですが、内圧によって周囲へ引き伸ばされる力を受けます。これが引張応力です。

対象と原因 起きようとする動き 生じる応力
胴に内圧がかかる 円筒を膨らませる 引張応力
両端を拘束した炉筒を加熱する 長く伸びたいが、両端から止められる 圧縮応力

つまり、「ボイラーの金属だから引張」「熱いから圧縮」と覚えるのではありません。

圧力で膨らませているのか、熱で伸びるのを止めているのか。 どの部分に、何が作用しているかで、力の向きが変わります。

 

横向きの缶を想像してください。中から圧力をかけると、缶を広げようとする力は二方向に働きます。

方向 圧力がしようとすること 金属の抵抗
周方向 缶を太く膨らませる 胴が、輪っかを引き広げられるように耐える
軸方向 左右のふたを外向きに押す 胴が、左右に引き伸ばされるように耐える

周方向を考えるときは、缶に巻いたベルトを想像してください。缶が太く膨らもうとすると、ベルトは輪を広げる方向に引っ張られます。

軸方向は、両端のふたを左右へ引っ張る姿です。ふたが胴につながっているので、胴も長さ方向に引っ張られます。

どちらも引張ですが、同じ内圧でも、圧力を受ける面の大きさと、それに耐える金属の断面積の組合せが違います。 そのため、応力は同じになりません。

 


===

@西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。